こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。
昨年(2025年)の同「魚介料理」の特集では、いか類メニューの台頭や、ケジャンをはじめとする韓国風メニューの広がりが話題の中心となりました。一方で、素材本来の味を活かした濃すぎない味付けが日本の飲食店では根強く支持される、という傾向も見られました(昨年の記事はこちら)。
では、2026年はどのような傾向が見られるのでしょうか。最新データをもとに見ていきましょう。
不動の人気!ビールが進む“ちょい飲み”の鉄板メニュー
定番人気TOP20の魚介類メニューは何なのか、まずは取扱指数*からみていきましょう。
*取扱指数…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値で、特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標
※ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、魚介料理に該当するメニューの直近12ヶ月分平均の取扱指数の上位メニューをランキングで記載。
上位ランクインしたメニューは昨年と大きく変化はなく、エイヒレ(1位)を代表に、主にアルコールドリンクと相性の良い“ちょい飲み”系の「おつまみ」と、ねぎとろ(6位)や海鮮丼(10位)、各種刺身といった「鮮度」を訴求できる“生もの系”というグループが浮かび上がる結果となりました。
なかでも目を引くのが、エビを使ったメニューがTOP20に4品がランクインしており、素材としての汎用性の高さ、冷凍流通による安定調達、調理オペレーションの組みやすさが、定番化を後押ししていると考えられます。
躍進する鰻(うなぎ)系!“プチ贅沢”を楽しむ新トレンド
次に、この1年で取扱指数の増加率が増加したメニューの上位ランキングを紹介します。直近12ヶ月で特に注目を浴びた魚介類メニューが見えてきます。
※ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、魚介料理に該当するメニューの直近12か月分の取扱指数の前月からの増加率を平均し、上位メニューをランキングで記載。
ランキング上位で目立つのが、鰻系メニューの存在感。「うなぎ串」(2位)、「ミニうな丼」(3位)、「うなぎ棒寿司」(8位)、「うな玉丼」(14位)と、トップ20に4品がランクインし、いずれも「ミニ」「串」「棒寿司」「玉丼」といった少量/小分けのアレンジである点が特徴的です。高価格帯の鰻を一口サイズで提供することで、ハードルを下げて“プチ贅沢”を叶える設計が支持されていると考えられます。
また、韓国系シーフードの伸びも見逃せません。海鮮キムチ(5位)やカンジャンセウ(18位)が上昇し、定番ランキングのケジャンと合わせると、若年層を中心とした韓国グルメブームが魚介ジャンルにも波及していることがうかがえます。
どちらも、贅沢感や話題性といった「気分が上がる一皿」といった、消費者が外食に求める価値が“特別感”にシフトしている兆しが読み取れます。
注目は昔ながらの日本食「アジフライ」と「エビフライ」
新鮮なアジを衣で包みサクッと揚げた日本の魚料理「アジフライ」は、定食やお弁当のおかずとして古くから親しまれていますが、2019年に長崎県松浦市がアジフライの聖地として町おこしを進めたことも火付け役となり、注目度が一気に高まりました。近年では専門店の登場や、アレンジの幅を広げた進化系タルタルソースなど付け合わせも多様化し、ブームを後押ししています。
あわせて、日本洋食の定番料理「エビフライ」も、近年のレトロ洋食メニュー人気もあり再注目されています。エビフライ専門店も登場しており、タルタルやスパイスソースの多様化、盛り付けの高さや断面を見せる演出も強化され、飲食店での取扱も増加傾向にあります。
“日常の満足”と“ハレのちょい贅沢”の棲み分け
今回のデータから見えてきたのは、魚介料理に対する消費者ニーズが、2つの軸へ棲み分けられている可能性です。
ひとつは、「日常の満足」軸。揚げ物やおつまみを中心に、気軽な“ちょい飲み”シーンを支える安定需要で、安心感とコストパフォーマンスが中心にあります。もうひとつは、「ハレのちょい贅沢・体験」軸です。鰻の少量提供や韓国系など、特別感や新規性を求める需要で、気分や話題性が価値の中心となっています。
“外食ならではの価値”が選ばれやすい一方で、素材そのものの味を活かした濃すぎない味付けのメニューが飲食店では根強く支持されている傾向が見られ、「手間への対価」と「素材への信頼」が、魚介類メニューでは重要な要素なのかもしれません。
















