こんにちは。ぐるなびデータライブラリ編集部です。本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。
今回は特別編として、富士通株式会社様とぐるなびが共同で行ったトレンドグルメのデータ分析をご紹介していきます。ぐるなびが外食データを提供し、富士通株式会社様が他データも組み合わせた分析を行い、解説をぐるなびデータライブラリ編集部が担当しました。また、データの一部は日経新聞社様のPOSデータを使用して、外食と内食の関係性についても調べています。
分析のテーマとなるメニューは「台湾カステラ」。ぐるなびが発表している「トレンド予報」でも2020年3月に取り上げています。
※トレンド予報:ぐるなび独自のロジックでデータを分析し、半年以内に流行するメニューを予測する「ぐるなびデータライブラリ」内のコンテンツ。毎月5メニュー発表している。
全3回に分けご紹介していきますが(過去の記事「基本情報編」はこちら、「取扱・検索」編はこちら)、今回は下記の内容で分析をしていきます。
まずは台湾カステラおよび台湾カステラの原料となる食材の流通価格の推移を見ていきましょう。定番メニューであるパスタより、台湾カステラと同じ小麦を主原料としたカルボナーラのデータと比較してみます。
近年価格が高騰している小麦をメインに使用するカルボナーラの提供平均価格は緩やかな上昇傾向にあります。
一方、同じく小麦をメインに使用する台湾カステラの提供平均価格は下降傾向となっています。
続いて、外食と内食の提供価格を比較していきます。
※POSデータ提供:日経新聞社様
赤い線グラフが外食提供平均価格、黒い線グラフが外食の取扱指数(※)、その他の線グラフは内食平均価格(POSデータ)です。商品ごとの線グラフとなっています。
2020年9月頃まで外食の価格は下降することはなく、800円を維持していますが、内食が出始めたタイミングとほぼ同時期から、徐々に価格が下がっていきます。
また、内食において600円台で販売されている台湾カステラは、2021年10月の一時期・1メーカーのみとなりました。(グラフ内①)
2021年7月~2022年1月にかけては、複数メーカーから台湾カステラの新商品が同価格帯で販売されました。(グラフ内②)
※取扱指数:特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標で算出。
全3回に渡って、台湾カステラに関するデータをご紹介してきました。分析結果のまとめです。
2020年からコロナ禍による海外旅行が気軽にできない状況下で、アジアグルメの人気が続いています。その中でも、旅行先として人気の「台湾」「韓国」といった国のグルメはSNSを中心に若者から話題となり、近年のブームを作っています。
台湾カステラは、2019年のブームとなった「タピオカミルクティー」「台湾茶」などの台湾スイーツ人気に後押しされ、専門業態が数多く登場しており、一定の話題を作りだしました。
現在は、紅茶やショコラといった新たなフレーバーや、フルーツやクリームなどをサンドしたもの、カステラの上にプリンをのせたものなど、新しい提供スタイルが生まれており、日本独自の「進化系台湾カステラ」が登場しています。
大きな話題とはならないものの、取扱や価格が一定となり、専門店だけでなく、広く居酒屋などでも取扱があることから、“トレンドグルメ” ではなく、一つのスイーツとして定着してきていると考えられます。
今回は「トレンドメニュー」として「台湾カステラ」を軸に分析を行いました。この分析からいくつか傾向や仮説が見えてきたかと思います。
ぐるなびデータライブラリ編集部では引き続き食のトレンドに関してのデータ分析を進めていきたいと思います。
トレンドメニューの分析やレポートを御用命の方は、下記までお問い合わせください。
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