こんにちは。ぐるなびデータライブラリ編集部です。本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。
今回は特別編として、富士通株式会社様とぐるなびが共同で行ったトレンドグルメのデータ分析をご紹介していきます。ぐるなびが外食データを提供し、富士通株式会社様が他データも組み合わせた分析を行い、解説をぐるなびデータライブラリ編集部が担当しました。また、データの一部は日経新聞社様のPOSデータを使用して、外食と内食の関係性についても調べています。
分析のテーマとなるメニューは「台湾カステラ」。ぐるなびが発表している「トレンド予報」でも2020年3月に取り上げています。
※トレンド予報:ぐるなび独自のロジックでデータを分析し、半年以内に流行するメニューを予測する「ぐるなびデータライブラリ」内のコンテンツ。毎月5メニュー発表している。
全3回に分けご紹介していきますが(前回の記事「基本情報編」はこちら)、今回は下記の内容で分析をしていきます。
飲食店での取扱は2020年夏から目立ち始める
まずは台湾カステラの飲食店での取扱状況の推移を見ていきましょう。
ぐるなびでは、飲食店での特定メニューの取扱を独自の定義で指数化し「取扱指数」としています。
※取扱指数:特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標で算出。
こちらのグラフは2019年11月から2022年9月の取扱指数の推移です。
飲食店での取扱は、2020年7月頃から上昇し、2021年8月に急上昇。2021年11月にピークとなり、その後一度下降するもゆるやかに上昇を続けています。
取扱うのが早かったのはどのエリアと業態か
続いて、取扱指数を業態ごと・エリアごとに比較したデータをご紹介します。
業態ごとの取扱推移
まず最初に、2019年11月からイタリアン・フレンチ業態で取扱がはじまり、次に中華業態での取扱が2020年8月頃から見られます。その後は2020年11月に和食での取扱が目立ち、2022年に入ると居酒屋業態での提供が急増します。そして一番最後に取扱が始まったのは焼肉・ホルモン・鉄板焼き業態でした。
エリアごとの取扱推移
エリアごとはどうでしょうか。2019年10月に関西で最初に取扱が見られます。その後2020年からは各エリアで取扱が増加しはじめます。北海道では2021年4月から急増していますが、その後も増加し続け、店舗数の割合に対し台湾カステラの取扱が多い傾向となっています。
台湾カステラと取扱の親和性があるメニューは?
では、台湾カステラの取扱傾向に似ているメニューはあるのでしょうか。トレンド予報に掲載されたメニューのデータを対象に、台湾カステラの取扱指数と類似の傾向となるメニューをピックアップしました。
類似の傾向があると導き出されたメニューは全部で9つ。内訳は、韓国グルメ系が4つ、スイーツ系が3つ、台湾グルメ系が3つとなっています(クロップルは韓国グルメ・スイーツの二重カウント)。中でも「エビギョプサル」「チーズボール」「ヤンニョムチキン」などの韓国グルメとの親和性が特に高い結果となりました。
消費者検索は2021年1月から増えはじめる
続いては消費者の検索データについての分析です。
取扱指数と同じように、検索データについてもぐるなびが独自の定義で指数化した「検索指数」をベースに解説をしていきます。
※検索指数:特定期間の全検索回数における検索回数割合を表す数値。検索100,000回あたり何回検索されたかという指標で算出。
こちらのグラフは2019年11月から2022年9月の検索指数の推移です。
2020年8月頃に一度微増するものの、一旦落ち着きますが、2021年1月頃から上昇を続け、2021年5月にピークとなっています。その後2021年8月からは緩やかに下降し続けています。
検索とGoogleトレンドとの関連は?
次に、検索指数とGoogleトレンド関心度(※)を比較してみました。
※Googleトレンド関心度:富士通独自の定義で指数化した指標。キーワード「台湾カステラ」、期間「2019-01-01 ~ 2022-12-01」、地域「日本」という条件で抽出。検索指数などのデータと時間分解能を合わせるために、抽出したGoogleトレンドデータは月次平均。
こちらのグラフを見ると、検索指数とGoogleトレンドの関心度が同じ波形を辿っていて、関連性があることがわかります。
台湾カステラと検索の親和性があるメニューは?
取扱指数と同じように、台湾カステラの検索傾向に似ているメニューを見てみましょう。
トレンド予報に掲載されたメニューのデータを対象に、台湾カステラの検索指数と類似の傾向となるメニューをピックアップしています。
類似の傾向となるメニューは5つ。取扱の9つと比較すると少ない結果となりました。この中では「パフェ」「マリトッツオ」などスイーツ系との親和性が特に高くなっています。また、「台湾茶」「鹹豆漿」などの台湾カステラと同じ台湾のメニューも傾向が近いことがわかりました。
今回は台湾カステラの取扱指数と検索指数にまつわる分析をご紹介しました。
次回は3/3(金)更新予定です。POSデータを交えた食材流通価格の分析や外食と内食の価格比較を考察していきます。
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