【トレンドに変化あり】変わりやすいアルコール飲料のトレンドをデータから分析!(アルコール飲料分析 ~前編~)

こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。

外食では食事と一緒に嗜むアルコール飲料を楽しみにしている、という人も多いのではないでしょうか。今回は、昨年も特集したアルコール飲料について、今年のトレンドをデータから分析します(昨年の記事はこちら)。注目のアルコール飲料についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

ノンアルコールビールが定番化

まずは、定番人気のアルコール飲料について分析していきます。ぐるなび掲載店舗に登録されているアルコール飲料のデータから、取り扱い数が多い順にランキング形式で紹介します。

ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中でアルコール飲料に該当するメニューの取扱指数平均(2022年9月~2023年9月)上位メニューをランキングで記載。

上位のラインナップの多くは昨年と変わりはありませんが、昨年はランクインしていなかった「ノンアルコールビール」が15位にランクイン。正確にはアルコール飲料ではありませんが、ノンアルコール飲料がアルコールのメニュー欄に記載されていることも多くなってきました。ノンアルコールビール(カクテル)が定番化したことで、体質や事情によってお酒が飲めない人も、お酒がある席を一緒に楽しめる空気が一般化してきているようです。また、昨年の取扱数では18位にランクインした「ジントニック」は今年はランキング圏外となりました。

アルコール飲料に求められる健康志向

次に、ぐるなび掲載店舗に登録されているアルコール飲料のデータから、昨年に比べて取扱指数(※)が上がったメニューを、増加率順にランキングで紹介します。ここから、昨年から今年にかけて人気が出たアルコール飲料の種類が分かります。

※取扱指数とは…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標。

ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、アルコール飲料に該当するメニューの取扱指数を、2023年9月と2022年9月の数値で比較し、増加率上位メニューをランキングで記載。

1位の「ハスカップ・コーク」とは、「ハスカップ」リキュールのコーラ割りのこと。ハスカップは主に北海道で採れ、『不老長寿の実』とも呼ばれるほど豊富な栄養素を含む果実です。そのほか「アップルビネガーサワー」(2位)、「はちみつ黒酢サワー」(11位)、「ビネガーサワー」(12位)といったビネガーをベースとしたアルコールや、ジンジャーを含むアルコール人気からも分かるように、昨今の健康志向がアルコールにも求められているのかもしれません。

愛される伝統「アイリッシュウイスキー」に注目!

世界五大ウイスキーのひとつである「アイリッシュウイスキー」は、アイルランド共和国や北アイルランドで伝統的な手法により製造される穀物を原料としたウイスキーのことで、雑味が少なくすっきりとした味わいが特徴です。一時は世界の市場から消えていたものの、クラフトウイスキーのブームによる後押しや蒸留所が増えたことでその人気が復活。日本国内でも専門店が存在するほか、2023年に入りアイリッシュウイスキーのイベントが開催されるなど、今後注目のアルコール飲料です。

ブームが移りやすく、国内では定番化ハードルが高いアルコール

昨年はランキングに入っていた「ジン」がランキング圏外になったり、ヘルシー志向を反映したアルコールの取り扱いが一気に増えたりしたことからも分かるように、アルコールの種類が多い日本では、その人気が短期間でも変わりやすいということが分かる結果となりました。ハイボールやレモンサワーといった、ブームから定番化するアルコール飲料もいくつかありますが、日本の食卓・外食シーンでは、その食生活との相性にもよるものなのか、特定のアルコール飲料が定番化するのはなかなかハードルが高いのかもしれません。


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