こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。
今回は、お米とおかずを一度に食べられるもの、もしくはお米そのものを味付けしたものを指す「米飯料理」を大分析! 時間のないときにもパパッと食べられ、満足感も得られる「米飯料理」にも、実は流行があるって知ってましたか? ぐるなびが持つさまざまなデータをもとに、定番から最近のトレンドについて分析・解説していきます。
目次
米飯料理の定番人気は、やっぱり和食メニュー
まずは、ぐるなび掲載店舗に登録されている米飯料理のデータから、取り扱いが多い順にランキング形式で紹介します。
※2022年7月現在
米飯料理に該当するメニューの掲載数上位は、やはりほとんどが和食。カレーやオムライス など、海外から来た料理をヒントに、日本人の舌や食スタイルに合うようにアレンジ(進化)したメニューにも注目。これは、パンなどと違って形状・料理法を限定されないお米ならでは特徴を活かした進化の賜物なのかもしれません。
人気急上昇の米飯料理はウチ食が火付け役?
次に、ぐるなび掲載店舗に登録されている米飯料理のデータから、昨年に比べて取扱指数(※)が上がったメニューを、増加率順にランキングで紹介します。取扱指数が上がったメニューを見ることで、トレンドの傾向が明らかになります。
※取扱指数とは…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標。
※2022年7月時点(対象月 2021年7月および2022年7月)
※オンザライス:ご飯におかずなどをのせて食べる、丼スタイルのメニューのこと
※チュモッパ:韓国風おにぎり。韓国のり、漬物、野菜などをご飯に混ぜ合わせ、一口サイズに丸めたもの
※ビンダルー:インド西海岸中部・ゴア地方を代表するカレー料理の一種
取扱数増加率を見ても、基本的には定番の和食メニューアレンジが多い印象です。しかしながら、3位には「チーズキンパ」、13位に「チュモッパ」と、韓国料理が2つランクイン。また、7位に「プラウンマサラ」、18位に「ビンダルー」と、インドカレーがランクインしています。
上位に入った「オンザライス」や「出汁カレー」、「冷やし茶漬け」などにも言えることですが、家庭でも簡単に作れる「◯◯の素」などの合わせ調味料や、温めるだけのレトルトがブームになることでユーザー認知度が上がり、外食店でもそのメニューの取り扱い数が上がる(人気になる)、という流れが推測されます。
ぐるなびが注目する「米飯料理」2つを紹介
定番メニューもアレンジ次第で注目度UP!「カツ丼」
トンカツに薄切りにした玉ねぎなどの具を加え、甘辛く煮て卵でとじ、ご飯の上にのせた丼メニュー「カツ丼」。昔ながらの「米飯料理」の定番であるはずのカツ丼も、今年に入ってその人気が急上昇しています。
この人気の背景には、特に2022年に話題になった、 とんかつを卵でとじずにカツを卵の上にのせるスタイル「とじないカツ丼」の登場も考えられます。卵の上にのせることで従来の卵でとじるカツ丼よりもボリュームが増え、丼のフタがしまらない、いわゆるカツが「はみ出ている」見た目が特徴的です。この見た目が写真映えすると話題になってSNSでバズったことが、改めてカツ丼が注目される要因の一つとなりました。
ニューヨークのストリートフードが日本上陸「チキンオーバーライス」
アメリカ・ニューヨークのストリートフードの定番「チキンオーバーライス」にも注目。サフランやターメリックで炊き上げたご飯に、スパイスで味付けしたチキンをのせた料理のことで、 チキンにはホワイトソースやチリソースをかけ、レタスやミニトマトがトッピングされているスタイルが多いです。
もともとはトルコ発祥といわれていて、アメリカでは学食でも食べられるほど庶民的なメニューです。昨今、日本にも専門店ができ始め、さらにコロナ禍で定着したデリバリーやテイクアウトに適したスタイルであることから、飲食店での取り扱いが増加しています。スパイスが効いた濃いめの味付けで、たっぷりの野菜を一緒にとれることから、特に若い世代からの支持が高まっています。
調理方法を選ばない「米」だからこそ、メニューは無限大
炊いてそのまま、焼く、炒める、煮る…「米」の調理方法は無限大。味のクセもなく、形状も自由自在なので、料理ジャンルを選ばず組み合わせられるのは、お米ならではの特徴ですよね。また、海外メニューの要素を取り入れながらも、日本らしくアレンジさせるのが得意なのも日本の食文化。米飯料理の登場や進化は、今後もとどまらないことが予想されます。