こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニュー分析を行っております。
暑い夏も終わり、そろそろ朝晩には肌寒い風が吹く日も増えてきました。秋の訪れを感じて「そろそろ温かいものを食べたいな」と、思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、少し早めの鍋メニューを大調査。前編の本記事では、ぐるなびが保有する鍋に関する様々なデータを詳しく分析していきます。
目次
「鍋」を恋しく感じるのは、秋の終わりから
※1 検索指数:特定期間の全検索回数における検索回数割合を表す数値。特定期間に検索100,000回あたり何回検索されたかという指標のこと。
※2 取扱指数:指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値です。1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標で算出しており、数値が高いほど取扱店舗が多いと判断できます。
「鍋」というキーワードの検索指数(※1)と、鍋メニューの取扱指数(※2)を調査したところ、検索は毎年11~12月、取扱は毎年1~2月がピークになります。つまり、消費者が鍋を最も求める時期と、店舗での取扱には若干のズレが生じていることが分かります。
このことから、年末はクリスマスや忘年会などイベントも多くありますが、消費者ニーズに合わせて11月から鍋メニューを潤沢させることで、顧客獲得につながる可能性が考えられます。
定番鍋の人気に忍び寄る『ご当地鍋』と『海外鍋』
次に、ぐるなび掲載店舗のメニューデータを分析しました。まずは、取扱数が多い鍋メニューのランキングをご紹介します。
取扱指数は、もはや鍋料理の定番とも言える、全国での認知度が高い鍋メニューがランキングを独占しました。魚介類よりも肉を使ったメニューが多い印象です。
併せて、昨年と比べて店舗での取扱数の増加率ランキングも調査したところ、ここでは『ご当地鍋』と『海外鍋』の人気が垣間見られる結果となりました。
※ホルジン鍋:ホルモンとジンギスカンを味噌ダレで煮込んだ、北海道(主に札幌)のご当地鍋
※鶏ちゃん鍋:鶏肉と野菜を甘めの味噌ベースのタレで煮込む、岐阜県のご当地鍋
※そばかっけ鍋:そば粉で作った「そばかっけ」を大根や豆腐と一緒に煮込み、にんにく味噌ダレを付けて食べる、岩手県のご当地鍋
※唐唐鍋:ホルモンと野菜をピリ辛の味噌スープで煮込んだ、兵庫県のご当地鍋
各ローカルエリアのみで食べられていた、いわゆる『ご当地鍋』の取扱数が急上昇。上位20位までに4つ(7位 ホルジン鍋、9位 鶏ちゃん鍋、16位 そばかっけ鍋、20位 唐唐鍋)がランクインしました。その多くは、テレビ番組でのローカルエリア特集や鍋特集などで紹介されたことが要因で全国にその名が知られ、店舗での扱い数も増えたことが考えられます。
同じく興味深いのが、日本以外での鍋メニュー『海外鍋』の人気です。昨年と比べて最も取扱数の増加率が高かったのは、韓国の鍋料理「ナッコプセ」で、昨今の韓国料理ブームが、鍋メニューでも顕著に表れる結果となりました。4位にはタイの鍋料理「チムチュム鍋」がランクインしています。
この2つの海外鍋については、次から詳しく紹介していきます。
人気急上昇!「海外鍋」の2つを紹介
後を引く辛さがたまらない「ナッコプセ」
名前の「ナッコプセ」は、韓国語でナクチ=たこ、コプチャン=ホルモン、セウ=えびを意味します。たこ・ホルモン・えびをコチュジャンや唐辛子で煮込んだ韓国・釜山名物の辛い鍋料理のことで、春雨や野菜も一緒に煮込むことが多いです。
ピリ辛なタレがアクセントの「チムチュム鍋」
タイ東北部イサーン地方の料理で、ナンプラー・レモングラス・コブミカンの葉・ナンキョウなどのハーブを素焼きの土鍋に入れて煮込んだスープに、白菜・空心菜・春雨・スイートバジル、豚肉やホルモン・魚介類などさまざまな具材を入れ、にんにくと唐辛子がベースのタレを付けて食べます。
“レア感”のある鍋メニューに注目!
定番の鍋メニューの人気はさることながら、ご当地鍋や海外鍋など、“レア感”や珍しさのある鍋メニューにも注目が集まっていることが、今回の分析結果から分かりました。今や一般ユーザーが多くの鍋スープベースを簡単に手に入れられるからこそ、お店では定番以外の味を求められているのかもしれませんね。
後編では、ぐるなび独自のアンケートを用いて、今冬の鍋メニューのトレンド予想を行います。