「調味料」にも訪れるグローバル化!ぐるなび注目の調味料も紹介(調味料分析 ~前編~)


こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。

今回は、「調味料」を徹底調査します。ベースとなる料理の味付けはもちろんのこと、最近では味変(あじへん)調味料もブーム。それに伴い、追加/味変メニューとして、あらゆる調味料を取り扱う飲食店が増えてきています。手軽に入れ替えが可能だからこそ、その時々の味のトレンドが反映されやすいジャンルと言えます。前編では、昨年と比べて人気が上昇したトレンドの調味料のほか、その中でも“ぐるなび注目”の調味料をメインに詳しく紹介していきます。

単体でも使いやすく、アレンジしやすい調味料が定番

まずは、ぐるなび掲載店舗に登録されている「調味料」に該当するメニューの取扱指数(※)上位20位を紹介します。これにより、どんな調味料が定番となっているかが分かります。
※ 取扱指数とは
指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値です。1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標で算出しており、数値が高いほど取扱店舗が多いと判断できます。

基本の五味とも言われる「甘味・塩味・酸味・苦味・旨味」が単体でも味わえ、さらに「レモン×塩」「バター×醤油」「ゆず×ポン酢」など、アレンジしやすい調味料の人気が明らかとなる結果となりました。また、少し加えることで和の風味を演出することができる「味噌(5位)」や「ゆず(8位)」といった、和の調味料も定番化しているようです。

海外で定番の調味料人気が急上昇

次に、昨年に比べて取扱指数が上がったメニューを、増加率順にランキングで紹介します。ここから、昨今の調味料のトレンドが明らかになります。

 

※1:アガベという植物の根茎を絞って作られた甘味料
※2:亜熱帯に育つ樹木から成る強い柑橘系の香りを放つハーブ
※3:豆鼓に砂糖や醤油などを加えペースト状にした中国の調味料
※4:唐辛子をベースにした北アフリカ発祥のペースト状の辛味調味料

 

ランキングで特に目立ったのは、海外で定番となっている調味料の人気。例えば、3位にランクインした「アガベシロップ」はメキシコでは定番の甘味料のことで、テキーラの原料として昔から使われているアガベから作られています。クセがないため和食との相性も抜群で、さらに低GIのため、ヘルシー志向の人にはぴったりの調味料です。甘味系の調味料で見ると、11位の「メープルソース」や12位の「ほうじ茶パウダー」など、上位20位のうち3つがランクインしています。

辛味系の海外調味料も同じく人気で、「ハバネロソース(2位)」「豆板醤(17位)」「ハリッサ(18位)」といった調味料も昨年と比べて大きく取扱指数が上昇しています。

このほか、和の調味料としては「麺つゆ(1位)」「魚介とんこつ(6位)」「おかか醤油(10位)」に代表されるような、2つ以上の味わいと旨味が楽しめる“掛け合わせ調味料”が人気のようです。

ぐるなびが注目する「調味料」2つを紹介

デュカスパイス | 食感も楽しいシーズニングソルト

スパイシーな中東発祥のシーズニングソルト。「デュカ」とは、アラビア語で“つき砕く”という言葉を意味します。砕いたヘーゼルナッツ、ゴマ、コリアンダー、クミンなどのスパイスを混ぜ合わせたものが基本的な材料で、香ばしさとザクザクとした食感も人気の一つです。
オリーブオイルに浸したパンにふりかけるのが一般的な食べ方ですが、それ以外にもサラダや炒め物の味付けなど、様々なアレンジを楽しむことができます。人気食料品店で取扱われた事をきっかけにテレビなどのメディアでも取り上げられ、近年注目を集めています。

ハリッサ | そのままでも味変にも使える旨辛調味料

北アフリカ発祥のペースト状の辛味調味料のことで、 唐辛子をベースにパプリカ、ガーリック、クミンやコリアンダーなどを使用したスパイシーな風味が特徴です。野菜や肉にそのまま付けるのはもちろん、味変したいときに少量加えたり、煮込み料理に入れることで旨味を増したり、と万能調味料として使用できます。昨今の旨辛グルメ人気が続いている中でも特に注目の調味料です。

ジャンルだけじゃない。進む味覚のグローバル化

日本料理では味付けの基本を「さしすせそ」と表現しますが、料理ジャンルのグローバル化に伴い、日本人の舌にも合う味付けの範囲は年々拡がっている、ということが分かる結果となりました。知名度がすでに定着化しつつあるアジアの調味料のほか、今回紹介した「デュカルス」や「ハリッサ」人気からも見られるように、より目新しい各国の調味料を取り入れる飲食店が増えてきているようです。海外に行くハードルが高くなったからこそ、外食や家庭に海外の味を求める人が多くなったのも影響しているかもしれません。

後編では、全国の飲食店へのアンケートによる、調味料に対する意識調査の結果を紹介します。