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こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。本編集部では、ぐるなびが保有するビッグデータを元に、流行しているメニューの分析や、今後のトレンド予想などを行っています。

飲食店の酒類提供自粛や時短営業が解除となり、お酒を楽しむお客様が戻りつつある今冬。一方、消費ニーズの変化に伴って、従来のアルコールドリンクだけではなく、低アルコールやノンアルコールを置く店も増加。ドリンクメニューは多様性を増しています。そこで今回は、「ぐるなびデータライブラリ」を使って、外食におけるドリンクのトレンドを読み解いていきます。

目次

ランキングで見る人気のアルコールドリンク

まず初めに、今年に入って取り扱いの増えているドリンクメニューのデータから、人気のアルコールを見ていきましょう。

(このデータは、ぐるなびメニュー掲載店舗で提供されている全メニューの中から、取り扱いの多い人気メニューを抽出し、昨年の同時期と比較。増加率の高いアルコールドリンクをランキング形式でまとめたものです。集計には、全店舗における該当メニュー取り扱い店舗の割合を数値化した「取扱指数」を用いています。)

  • 「ジンソーダ」の取扱いが増加!ハイボールも味わいを増やし、人気継続

     昨年対比で最も増加率の高かったメニューは、香り付けされた蒸留酒・ジンを炭酸水で割った「ジンソーダ」。ジンと言えばカクテルの「ジントニック」の耳馴染みがありますが、甘味のある「ジントニック」と異なり、「ジンソーダ」はスッキリとした味わい。ここ数年で日本生まれのクラフトジンに注目が集まったことや、昨年、大手飲料メーカーから新商品が発売されたことなどもあり、食中酒的な位置付けでラインナップする店が増えているようです。

    食中酒と言えば、すっかり定着しているのが「ハイボール」。今回のランキングにも、「パインハイボール」「ピンクハイボール 」など、ハイボール系が5つもランクインしました。組み合わせるフルーツやウイスキーの銘柄などで、ハイボールメニューのバリエーションが豊富になっていることもうかがえます。

ランキング上位を占めるサワー系。「ビネガーサワー」にもトレンドの兆し

また、サワー系がトップ10を中心に上位にランクインしていることにも注目です。4年ほど前に「レモンサワー」が大ヒットし、アルコールの新ブームを構築して以降、サワー系全般が再評価され、根強い人気を得ているようです。使われる材料を見ても、ほうじ茶やトマトのほか、エナジードリンク、ガリなど多岐にわたっています。

さらに、サワー系で押さえておきたいのが、17位の「ビネガーサワー」。主にざくろやぶどう、柑橘類などの果物を原料とした「フルーツビネガー」をサワーで割ったもので、昨年来の「フルーツビネガー」人気を受けて盛り上がりつつあります。
飲料として開発された「リンゴ酢」や「黒酢」など、お酢を使ったドリンクは以前から健康志向の高い消費者に人気でしたが、近年登場した韓国生まれの「フルーツビネガー」は、より飲みやすいテイストで幅広い層に親しまれるように。韓国料理の人気とも相まって、ビネガーサワーも今後ますます広がっていくことが予想されます。
 

押さえておきたいアルコールドリンクの〝キーワード〟

続いて、ドリンク関連のキーワードから、アルコールのトレンドを考えてみましょう。
下の表は、ぐるなびに掲載されている全メニューデータから、「アルコール」と組み合わせて使われている食材名を抽出したものです。

(ぐるなびデータライブラリでは「組合せ分析」という機能を使って、指定ワードと同時に使用されているキーワード(メニュー名、食材名、地名、装飾語など)を抽出することが可能です。組合せ分析のデータからは、例えばそのメニューにどんな食材が使用されているか、どんな装飾語で説明されているかといった傾向をつかむことができます。)

  •  定番の柑橘系のほか、野菜のお酒も広がっている

    「アルコール」との組み合わせで最も多かったのは「オレンジ」、次いで「レモン」「グレープ」「グレープフルーツ」と、サワーやカクテルなどでお馴染みのフルーツが並んでいます。フルーツ、特に柑橘系を使ったアルコールドリンクが多くのお店でラインナップされていることがうかがえます。
    また、5位に「カシス」が入っており、カシスリキュールを使った飲みやすいカクテルも広く定着しているようです。

    6位には「麦」、7位には「芋」と、焼酎の2大原料がランクイン。また、9位には「野菜」というキーワードも登場しました。パクチーやトマト、にんじんなど、旬の野菜や地場野菜を使ったサワーを売りに人気を博すお店があるなど、野菜サワーも一部で盛り上がりを見せているドリンクメニュー。消費者のヘルシー志向が高まる中、お酒でありながら健康的な野菜サワーも押さえておきたいところです。



前編では、ドリンクの中でもアルコールに絞って見てきました。後編では、低アルコールやノンアルコールのトレンドも分析していきます。