【ビッグデータで見る食トレンド】2021年の鍋トレンド(前編)


こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。本編集部では、ぐるなびのデータサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。

12月も近づき、鍋料理が恋しい季節になってきました。そこで今回は、ぐるなびの持つ外食データを使って、鍋料理のトレンドについて分析・解説をしていきます。

目次

鍋料理ランキングで見る人気の鍋

ではまず、ぐるなびの持つ全メニューデータの中から、鍋料理の人気メニューについて分析していきましょう。

集計は、ぐるなびデータライブラリで採用している取扱指数を基準にしています。取扱指数とは、指定メニューについて、特定時点の全店舗数における取扱店舗数の割合を表す指数化したものです。

鍋料理ランキング

  • ※1:名古屋の郷土料理で、鶏肉を使ったすき焼きのことで、主に名古屋コーチンを使って作られる
    ※2:マウンテン=山のように肉を高く積み上げ盛り付けたSNS映えする鍋料理のこと
    ※3:鉄板の外周に円形に盛り付けられた骨付きチキンを鍋中央のチーズにディップして食べる韓国料理
    ※4:小麦粉をこねて薄く伸ばしたものを手でちぎり、鍋の中で季節の野菜と出汁で煮込んだ、岩手県の郷土料理
    ※5:コチュジャンをベースにしたスープで野菜や魚を煮込んだ、韓国で食べられている辛い鍋料理


「定番」ランキングは2021年10月の取扱指数の高い順、「昨対比」ランキングは2021年10月と2020年10月を比較し昨対比で増加率が高い順になります。

韓国料理も定番化へ

「定番」のほうを見ると、“しゃぶしゃぶ” “もつ鍋” “すき焼き” “おでん” “ちゃんこ” など、和食の鍋料理を中心としたお馴染みのメニューが並んでいます。
その中でも注目すべきは、しゃぶしゃぶ系メニュー(黄色)が4つもランクインしていることです。1位の“しゃぶしゃぶ”を筆頭に、“豚しゃぶ” “焼きしゃぶ” “しゃぶしゃぶ鍋” などがランクインしています。
また、韓国系メニュー(赤)にも注目です。チーズタッカルビのブームが記憶に新しいところですが、韓国で定番となっている“純豆腐” “キムチチゲ”など4メニューがランクインしており、韓国グルメ人気はもはや定着しつつあるということがわかります。

トレンドは魚介×韓国

一方、「昨対比」のほうは「定番」と同じように韓国系メニュー(赤)が多くランクインしていますが、「定番」と比較すると、“テバクチキン” “メウンタン”など聞き慣れないメニューも入っており、韓国料理の盛り上がりがわかります。
韓国系メニュー以外では、魚介類を使ったメニュー (青)が6つもランクインしており、“海老味噌鍋” “クエしゃぶしゃぶ”などの和風メニューもあれば、“海鮮キムチ鍋” “メウンタン”など魚介類を具材にした韓国系メニューもあります。

他にも変わり種の鍋が続々登場

その他にも、注目すべき変わり種の鍋メニュー(緑)がランクインしていますのでご紹介します。

  • 2位 ベジ鍋
    野菜をメイン具材にした鍋ということで明確な定義はありませんが、コロナ禍で高まったヘルシー志向への関心を表すかのように、上位のランクインとなりました。
     
  • 5位 塩バター鍋
    高カロリーのバターを使用しており、2位のベジ鍋に見られるヘルシー志向とは対極にある、背徳感を楽しむメニューとなっています。長く続くコロナ禍でヘルシー志向疲れという流れも出ており、それを裏付けるかのように、“背徳”というワードの検索指数は、2021年4月から上昇を続けています。
     
  • 7位 トムヤム鍋
    コロナ禍で海外旅行に行けない状態が続き、デリバリー・テイクアウトなどでエスニック、特にガパオやグリーンカレーなどのタイ料理の人気が高まっていましたが、その流れが鍋料理にも表れています。タイ料理も、今後韓国料理や台湾了以のように人気の海外料理ジャンルとして定着する傾向がでています。
     
  • 9位 マウンテン鍋
    山のように肉を高く積み上げ盛り付けた鍋メニューですが、SNS映えを強く意識したメニューとなっています。ビジュアルにインパクトのあるグルメはまだまだ根強い人気です。
     
  • 16位 イタリアントマト鍋
    鍋というと和風のイメージが強いですが、洋風の鍋料理も増えてきました。特にイタリアンやトマト味となると、トレンド食材として人気が続いているチーズとの組み合わせが多くランクインしています。

“鍋”との組み合わせ食材から見る鍋トレンド

では、次に「鍋」と組み合わせて使われているワードを見ていきましょう。

ぐるなびデータライブラリでは「組合せ分析」という機能を使って、指定ワードと同時に使用されているキーワード(メニュー名、食材名、地名、修飾語など)を抽出することが可能です。これによりどんな食材が使用されているか、どんな修飾語で説明されているかなどの傾向をつかむことができます。
今回はその中で、「鍋」というキーワード同時に出現した食材名と地名について分析していきます。

組合せランキング


  • 「食材」では“もつ”が1位で、もつ鍋が定番であり人気であることがわかります。7~9位には〆となる食材名が並びました。注目すべきは10位にランクインしている“餃子”です。コロナ禍で餃子専門店が増えたり、冷凍餃子が注目されたりと、ブームになっていた餃子ですが、鍋の食材としても人気が出ています。2021年9月にはテレビ番組で人気タレントが冷凍餃子を使った鍋レシピを披露し、話題にもなりました。

    「地名」の1位は“博多”で、「食材」1位の“もつ”を使ったもつ鍋の本場ですので、納得の順位です。2位には“韓国”がランクインしており、ここでも韓国料理の人気が伺えます。3位の“四川”は、二色の火鍋や麻辣系を連想させる地名で、旨辛系鍋もまだまだ注目です。

こちらのデータを抽出した機能「組合せ分析」では、それぞれのワードが使われている実際のメニュー名やメニュー説明文をダウンロードすることが可能です。

一例)
  • 「鍋」×「もつ」
    明太もつ鍋/国産牛もつ鍋/コク旨もつ鍋
  • 「鍋」×「餃子」
    担々餃子鍋/激辛水餃子鍋/黒胡椒入り手羽餃子塩ちゃんこ鍋
  • 「鍋」×「韓国」
    スンドゥブチゲ:韓国では大人気のピリ辛豆腐鍋!/プデチゲ:洋食食材を韓国式に調理した人気の鍋/サムゲタン:雛鳥を丸一匹使用した韓国伝統の薬膳鍋!
  • 「鍋」×「四川」
    四川風羊肉の鍋/ホルモンの四川風干し鍋/四川風コラーゲン入り白湯火鍋



後編では、ぐるなびの注目している鍋メニューについて分析していきます。