2022年「今年の一皿®」が決定。今年の食トレンドを象徴するメニューとは?
こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニュー分析を行っております。
今年も残りわずかとなりました。ここ数年、外食産業では困難な状況が続きましたが、街や飲食店にも少しずつ活気が戻り始めてきています。さて今回は、毎年ぐるなび総研が発表している「今年の一皿®」について紹介します。
ぐるなび総研発「今年の一皿®」とは?
ぐるなび総研では「優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するために、その年の世相を反映し、象徴する食」を「今年の一皿®」として毎年発表しています。
サイト内でのユーザーによる検索・行動履歴などのビッグデータから抽出したワードをもとに、ぐるなび会員を対象としたアンケートおよびメディア関係者の審査を経て決まります。アンケートでは下記の3つを審査条件として選定されています。
・その年に流行または話題となった
・その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映している
・食文化の記録として後世に受け継ぐ価値がある
2021年には「アルコールテイスト飲料」、2020年には「 テイクアウトグルメ 」などを選出してきました。
2022年、「今年の一皿®」は「冷凍グルメ」に決定
ここからは、「今年の一皿®」に決定した「冷凍グルメ」の他、ノミネートされた食についても紹介していきます。
【「今年の一皿®」】作りたてをそのまま届ける「冷凍グルメ」
ここ数年のコロナ禍で、飲食店への急速冷凍機の導入が加速し、レストランのメニューをそのまま再現した「冷凍グルメ」が続々と誕生しました。飲食店オリジナルの冷凍商品開発が進んだことで、以前よりもバリエーションが豊富になりました。
全ての業態において、「冷凍」の割合が多くなっているだけでなく、店頭や自動販売機など購入方法の選択肢が増えました。保存性やフードロス削減の観点で社会変化に対する柔軟性が高く、今後の日本の食文化においてより一層不可欠な存在になるとの意見から、「今年の一皿®」に選ばれました。
【特別賞】睡眠改善やストレス緩和ニーズにマッチした「乳酸菌飲料」
特別賞は「乳酸菌飲料」です。近年のストレス社会で「睡眠改善」「ストレス緩和」といったキーワードが注目され、さまざまな企業が効果を謳った商品を提供しました。多数のメディアに取り上げられたことによりSNS上で話題になり、商品が入手困難になるなど社会現象が起きました。
※取扱指数…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標。
こちらは「乳酸菌」というワードを含む飲食店での取扱データとなります。2022年8月から上昇をはじめ、その後も上昇が続き11月がピークとなっています。外食でも「乳酸菌」が注目され始めていることがわかりますね。
【ノミネート】あえて日本人好みに寄せない本場の味「ガチ中華」
「今年の一皿®」には選ばれませんでしたが、ノミネートワードの一つとして選ばれた「ガチ中華」。日本人の舌に合わせた味付けをせず、本場の味そのままの中華料理のことを呼びます。こちらも、コロナ禍で海外旅行が制限される状況が好影響に。
特に今年に入ってその人気が加熱。在日中国人向けに本場の中国料理を提供する飲食店の味が、本場の雰囲気を求める日本人のニーズに合致し、話題になったことから注目されてノミネートされました。
【ノミネート】食にも来たサステナブル「プラントベースフード」
プラントベースフードとは、動物性原材料ではなく植物由来原料を使っている食ジャンルのことを表します。たとえば大豆で作られた大豆ミートや、オーツミルクなどのことを指します。
昨今の食の多様性ニーズから、飲食店でもプラントベースフードが多く提供されるようになり、特に今年の春頃から取扱数が急増しました。サステナブルな食品としても注目を浴び、更なる発展が期待できるということから、ノミネートを果たしました。
マイナスをプラスに変えた、新しい食の常識
ぐるなび総研が「今年の一皿®」に選出した「冷凍グルメ」は、コロナ禍という世間のマイナスをプラスに変えた、新しい食文化と言えます。冷凍技術の発達はもちろんですが、作りたての美味しさをそのまま届けるための、シェフや作り手の発想・技術にも大きく影響を与えるきっかけにもなりました。この冷凍グルメの発展を機に、国内だけでなく国を超えて、日本のグルメが当たり前のように海外に届けられる日も遠くないかもしれません。
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