こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。
体を冷やす涼やかな夏メニューが終わると登場しだす秋冬メニューの代表といえば「鍋メニュー」。体を芯から温めてくれるだけでなく、友人や家族と一緒にシェアすることでぐっと距離も近づくメニューですよね。今回は、秋頃から注目され始める鍋メニューを大調査!
前編の本記事では、ぐるなびが保有する鍋に関するさまざまなデータを詳しく分析していきます。
昨冬は「海外鍋」や「ご当地鍋」がトレンド入り
2022から2023年にかけて注目した鍋は、韓国やタイの味をベースとした「海外鍋」や、国内ローカルエリア発祥の「ご当地鍋」のトレンドが顕著に見られる結果となりました(昨年の鍋メニュー特集はこちら)。
今年はどんな鍋メニューが注目を集めるのか、ぐるなび独自のデータから分析していきます。
定番に大きな変動はなし。肉メインの鍋メニューが人気
まずはぐるなびに登録する飲食店の取扱指数*ランキングから、定番といわれる鍋メニューを見ていきましょう。
※取扱指数とは…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標
*ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、鍋メニューに該当するメニューの直近12ヶ月の取扱指数を平均した上位20位
定番人気は昨年から大きな変動はなく、海鮮よりも肉をメインとした鍋メニューの人気が顕著に。チゲ鍋やキムチチゲなど韓国由来の鍋メニュー人気も定着しており、辛いもの好きな人からの揺るぎない支持を獲得していることが分かる結果となっています。
「日本ならではの鍋」への注目が加熱!
ここからは、直近12ヶ月で取扱指数の上昇率が高かった鍋メニューを見ていきます。ここから、この12ヶ月の鍋メニュートレンドが明らかになります。
*ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、鍋料理に該当するメニューの直近12か月分の取扱指数の前月からの増加率を平均し、上位メニューをランキングで記載
※若竹鍋:わかめとタケノコを使った春先を中心に食べられる鍋
韓国の鍋メニュー人気は一部継続ながらも、昨年トレンドだった「海外鍋」の勢いは減速気味。日本ならではの定番鍋をベースとしたメニューが新たなトレンドであることがわかります。豆乳×しゃぶしゃぶ(2位)、もつ×チゲ(11位)、チーズ×しゃぶしゃぶ(12位)といった2つ以上の鍋メニューを掛け合わせるアレンジが人気で、全体的に濃いめの味付けもトレンドになりやすい特徴のようです。
<注目鍋メニュー> 韓国でも人気の“セリ”を使った「セリ鍋」
日本原産の多年草で春の七草のひとつ、セリ。ビタミンやミネラルが豊富で、特に貧血予防が期待できると言われています。元々、国内では宮城県・仙台で東日本大震災の地域復興の一環として強く後押しされて徐々に知名度を上げていましたが、最近では韓国でもセリを使ったサムギョプサル「ミナリサムギョプサル」が人気になったことで、その注目度がさらに加速。健康志向のブームもあいまって、セリを使った料理やセリ鍋もあわせて注目されるようになっています。
「国内食材×日本ならではの鍋」に注目
輸入食材の価格高騰のあおりを受けて、日本国内の食材に注目が集まっている昨今。鍋メニューにもこの影響は強く、日本国内の食材をアレンジし、相性のいい日本ならではの味付けをほどこした鍋の人気が今年予想されます。
後編では、ぐるなびが毎年発表している「トレンド鍋®」について、ご紹介・分析をしていきます。