【ビッグデータで見る食トレンド】マリトッツオ・台湾カステラに続くトレンドスイーツとなるポイントは?(スイーツ分析前編)

こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。本編集部では、ぐるなびのデータサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。

昨年爆発的な人気となったマリトッツオや台湾スイーツなど海外スイーツの人気が継続しています。海外スイーツ人気は今後も続くのか?今回はぐるなびの持つ外食データを使って、スイーツのトレンドについて分析・解説をしていきます。

 

目次

ランキングで見る人気のスイーツ

ではさっそく、ぐるなびの持つデータの中から、定番のスイーツについて分析していきましょう。

*集計は、ぐるなびデータライブラリで採用している取扱指数を基準にしています。取扱指数とは、指定メニューについて、特定時点の全店舗数における取扱店舗数の割合を指数化したものです。

「定番」ランキングは2022年4月の取扱指数の高い順となっています。

冷たいスイーツが多くランクイン。過去の流行スイーツも人気

スイーツの代表格、チョコやケーキはもちろんですが、アイス・シャーベットなど冷たいスイーツが6つランクインしました。食後のデザートだけではなく、お口直しとしても使えたり、季節を問わず人気のスイーツでもあります。
また、10位の「チーズケーキ」は、近年流行したバスクチーズケーキの影響か、ケーキ類の中でも上位に入っています。14位の「ティラミス」や「ブリュレ」など、1990年代に流行した代表的なスイーツもいまだに人気があり、取り扱いも多いようです。

次に、増加率ランキングをみると、昨年大流行したマリトッツオをはじめ、ネクストブレイクに重要なスイーツの条件が見えてきました。

台湾・イタリアンスイーツを筆頭に食感が楽しめるスイーツが多くランクイン

「増加率ランキング」は2022年4月と2021年4月の数値で比較し、昨対比上位メニューをランキングで記載したものです。

※ビニエ:イタリア風シュークリームのこと。「ビニエ」はイタリア語で揚げドーナツやシュー生地全般を意味する言葉だが、日本ではアーモンドをトッピングしたシュー生地で作られたシュークリームを「ビニエ」と呼ぶことが多い。

全体的に、プリンやババロア、ゼリーなど”食感”が特徴となるスイーツが多くランクインする結果になりました。
海外スイーツの人気は高く、台湾・イタリア系のスイーツが多くランクインしています。

1位にランクインしたイタリアンプリンは、ティラミスの材料、マスカルポーネチーズを使用した固め、もっちりとした食感が特徴のプリンです。3位にランクインしている台湾カステラもまた、日本のカステラとは違い、ふわっとキメの細かい生地が口の中でシュワッと溶けるような食感で人気が出ています。

今後も海外スイーツの人気が続きそうですが、昨年大流行したマリトッツオを含め、イタリアンスイーツメニューがトップ10に3つランクインしていることから、イタリアンスイーツの勢いが強いことが予測できます。

ぐるなびが注目するイタリアンスイーツ3つをご紹介

サクサク食感で虜になる人続出?「アラゴスタ」


アラゴスタはイタリア語で「伊勢海老のしっぽ」という意味を持つナポリの伝統菓子。薄く伸ばして巻いた「タッピ」という生地の中にシュー生地を詰めて焼き、クリームを入れたお菓子です。
外側のパイ生地に似た生地とシュー生地の2つの食感が特徴で、一度食べたら虜になる人も多いようです。
国内での知名度はまだ低く、兵庫県に専門店が出来たことで注目されるようになりました。昨年ブームになったマリトッツオと同様、中に入れるクリームのアレンジ次第でバリエーションを簡単に増やすことが可能で、今後のトレンドスイーツになる可能性がありそうです。

じわじわ人気沸騰中。華やかな断面が特徴のケーキ「ズコット」


ズコットとはフィレンツェ発祥のドーム型のケーキのことで、半球型のスポンジの中にクリームやムース、フルーツなどをたっぷり詰めて作るケーキです。
フルーツパーラーで提供されることが多く、丸みを帯びた見た目はもちろん、その美しい断面、いわゆる”断面萌え”要素があることから、近年流行したフルーツサンドやフルーツ大福同様、次のトレンドスイーツとして予測されます。

ふわっと口溶け食感の冷たいケーキ「セミフレッド」

セミフレッドとは「セミ=半分」「フレッド=凍った」という名の通り、半解凍した柔らかい食感のアイスクリームケーキです。
似たようなイタリアのスイーツに「カッサータ」がありますが、生クリームにメレンゲを合わせて固めるセミフレッドの方がふわっと口溶けが軽い食感です。
クリーム部分に好みのフレーバーや具材を入れることができ、アイディア次第で様々なセミフレッドを作ることができます。
アイスクリームとケーキの中間のような食感はもちろんですが、”小麦粉を使わない”ケーキとしても注目したいところです。

見た目と食感が重要?アレンジのしやすさも

流行の発信源となるSNSとの相性を考えると見た目はもちろん、増加率ランキングでは食感の重要性も伺えました。
また、今回取り上げたイタリアの伝統菓子はいずれもアレンジしやすいのが特徴です。これは昨年大流行したマリトッツオにも共通する要素で、食べる人を飽きさせない様々な変化が期待できそうです。


後編では、アンケート調査からわかる飲食店でのスイーツの意識と実態についてご紹介していきます。