小麦粉価格の高騰で変わる!?「麺料理」のトレンドと注目メニュー

こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。

前回は「米飯料理」のトレンドを紹介しました(前回の記事はこちら  ) 。そして今回は、お米と同じく日本人の主食とも言っても過言ではない「麺料理」のトレンドをデータから紐解きます。あわせて、そのトレンドや昨今の原材料価格高騰によって予想される、ぐるなび注目の麺メニューも紹介します。


目次

  • 味の掛け合わせ “進化系ラーメン”が人気
  • ぐるなびが注目する「麺メニュー」を紹介
  • 原材料価格の高騰で、新しいスタンダードの登場!?

味の掛け合わせ “進化系ラーメン”が人気

まずは、ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、麺料理に該当するメニューの取扱指数を、2022年6月と2021年6月の数値で比較し、増加率上位のメニューをランキングで紹介します。ここから、昨年に比べてユーザー認知度・人気が上がったトレンドの麺メニューがわかります。

 

※1:トッポギにラーメンを加えた、韓国で人気の屋台料理
※2:ペペロンチーノと卵を組み合わせたパスタ
※3:小麦と塩と水を原料とした、中国・陝西省の西安市一帯で食べられている伝統的な幅広手打ち麺。別名「ビャンビャン麺」。  


全体的に不動のラーメン人気が明らかになった結果となりました。特に「角煮×ラーメン」、「トッポギ×ラーメン」、「魚介出汁×豚骨出汁(魚介豚骨ラーメン)」など、もともと人気があるメニューとの掛け合わせによってうまれた“進化系ラーメン”が麺料理のトレンドを牽引しているようです。  

そのほか「ラッポッキ」(8位)、「激辛ラーメン」(11位)、「油潑麺」(18位) といった、辛麺メニューの人気も見られます。

また、上位20位のうち5つものメニューがランクインしたパスタにも注目。これは、2020年から登場した、たらこパスタやカルボナーラなど『1つの味に特化した専門店』の登場が人気に拍車をかけた要因と考えられます。

ぐるなびが注目する「麺メニュー」を紹介

ここからは、ぐるなびが注目する麺メニューをご紹介します。取扱数の増加率でも上位だった辛い麺の1つ「ビャンビャン麺」のほか、昨今の小麦粉価格高騰による影響を受けて注目される「米粉」で作られた麺メニューにも注目です!

しびれる辛さが癖になる「ビャンビャン麺」

 

先述の取扱指数ランキング18位にランクインした「ビャンビャン 麺」は、認知度・人気度ともに急上昇している麺メニューの1つです。最近では輸入食料品店や冷凍食品も販売され、ぐるなび掲載メニューの取扱指数(※4)を見ても、この一年間で約3.5倍もの増加率となっています。

本来は中国・陝西省の西安市一帯で食べられている、小麦粉・塩・水を原料とした伝統的な幅広手打ち麺のことを表しますが、日本では、辛麺メニューである「油潑麺」のことをビャンビャン麺と呼んでいるところが多いようです。

黒酢ベースのタレ、麺、肉や野菜などの具材、唐辛子や山椒などたっぷりの辛味スパイスを、高温に熱した油と一緒に混ぜ合わせて食べます。油によって引き立つスパイスの香り、そしてそのしびれるほどの辛さとモチモチとした麺の食感にやみつきになる人が続出しています。

※4 取扱指数…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標。

小麦価格高騰を受けて注目度急上昇!「米麺メニュー」

昨今の小麦粉価格高騰の影響とヘルシーさから注目を集めつつある、米を原料として作られた「米麺」。ここからは、3つの米麺とその特徴、代表的なメニューを紹介します。
 

米麺メニュー① ベトナムの国民食「フォー」

 

「フォー」とは、元々ベトナムで食べられている平たい米麺のことを表します。日本ではフォーを使った汁麺メニューのことを総称してフォーと呼ぶことが多いようです。ベトナムの国民食であり、透明の鶏がらスープにナンプラーなどで味付けたものが定番です。

日本でも既に知名度が高いメニューですが、海外に行きづらくなったコロナ禍で人気が出た    エスニック料理ブームやグルテンフリー志向の高まりによって、再び人気に火が付いています。

 

米麺メニュー② 日本進出! 最新の米麺メニュー「ミーシェン」

 

中国・雲南省の発祥、米で作られた麺「ミーシェン」。鶏ベースのクリアなスープに入れて食べるのが一般的です。

香港ではミーシェン専門の人気チェーン店があり、定番のクリアスープから辛味の効いたスープ、トッピングのバリエーションも豊富で、様々なアレンジメニューが登場しています。 日本でもその一号店が2022年3月に新宿にオープンし、本場の店舗と同じ味を楽しむことができるとのことで話題になっています。


米麺メニュー③ コシのある食感が新鮮。ベトナム発祥の「フーティウ」

 

ベトナム南部で食べられている米麺「フーティウ」。 ベトナム北部で食べられているフォーと比べると、半乾燥させてから裁断するのでコシがあるのが特徴です。

ベトナム現地では「フーティウナムヴァン」という豚骨ベースのスープに海老、豚肉、レバーなどの具が入ったメニューが一般的で、汁あり・汁なしを選べる店が多いよう。日本での知名度はフォーと比較するとまだ低めですが、大手会員制スーパーで販売されていることから、徐々に認知度・人気度が上がってきて、今後注目の米麺です。

原材料価格の高騰で、新しいスタンダードの登場!?

流通が多い麺の原材料として使われている小麦粉の価格高騰が懸念されている昨今、代替として注目され始めている米麺。春雨やそばなど、同じく小麦粉以外の原材料から作られている麺と比較してもその人気は卓越している傾向です。これは、世のヘルシー志向の高まりだけでなく、日本人にとってより身近な「米」が使われ、さらに癖なくアレンジしやすいという理由から、日本人の食生活に受け入れられやすいことが理由かもしれません。

 

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