【2022冬のトレンド大予想】今年の「トレンド鍋®」発表! “定番回帰”がポイントに(鍋メニュー分析後編)
こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニュー分析を行っております。
前回は昨年から今年にかけての鍋のトレンドを紹介しました(前回の記事はこちら) 。そして今回は、ぐるなびが選定した今冬の「トレンド鍋®」を紹介・分析していきます。
目次
ぐるなび発「トレンド鍋®」とは?
毎年ぐるなびが発表している「トレンド鍋®」とは、ぐるなびが持つビッグデータや会員へのアンケート調査などをもとに予測・選定した、その年のトレンドになりそうな鍋料理のことです。昨年は、サステナブル消費や食品ロス削減への意識の高まりといった世相を反映した「まるごと鍋™」、以前には「しびれ鍋」や「トマト鍋」など、2009年から毎年発表を行っていて、今年で14回目の発表となりました。
今年のトレンド鍋®は「平成リバイバル鍋」
2022年から2023年に掛けて、今冬のトレンド鍋®に選ばれたのは「平成リバイバル(復活)鍋」に決定しました! 平成にブームを起こし、今や定番と化した鍋料理を、令和ならではの見た目・食材・食べ方でアップデートした鍋料理のことを指します。
平成にブームとなった鍋料理の例としては、「もつ鍋」や「キムチ・チゲ鍋」、「ご当地鍋」、「豆乳鍋」、「トマト鍋」など。家庭でも手軽に食べられるほど人気のものばかりですよね。
選定ポイント3つを詳しくご紹介
「平成リバイバル鍋」の選定ポイントとしては、大きくは下記の3つです。
1. 食のレトロブーム
2. 食材高騰による定番回帰
3. 3年ぶりの忘年会復活への期待
それぞれ詳しく紹介していきます。
1. 検索数から分かる平成回顧「食のレトロブーム」
上のグラフは、「平成」というキーワードの検索指数(※)の推移を表したものです。2019年5月に元号が平成から令和に変わり、「平成」の検索指数は微増の傾向でしたが、2021年以降に検索指数が上昇し、3年で約3.6倍に。
食においても、ネオン酒場や◯◯横丁といったレトロなネーミングや雰囲気の飲食店が登場し、特にZ世代を中心に「平成」を含んだレトロブームが巻き起こっています。
※ 検索指数とは
特定期間の全検索回数における検索回数割合を表す数値。特定期間に検索100,000回あたり何回検索されたかという指標のこと。
2. 時勢が直撃「食材高騰による定番回帰」
世界情勢を鑑み、今冬は物価高騰の影響による節約志向が、食にも強く影響することが予想されます。一般家庭はもちろん、飲食店にとっても多大な影響を与えることが推測されます。
3. コロナ収束に向けて「3年ぶりの忘年会復活への期待」
昨今のコロナウイルスによる行動制限も、世情としては、そろそろ収束に向かってきています。事実、鍋料理が定番の忘年会について、今年度の忘年会への参加意向をアンケート調査してみたところ、仕事関連では約40%、プライベート関連に関しては約54%の人が「参加したい」もしくは「参加したいが、決まっていない」と答えています。
「平成リバイバル鍋」に関する調査アンケート結果
「“平成”でイメージする鍋の種類」を聞いてみたところ、「キムチ・チゲ鍋」(32.0%)がトップ。続いて「豆乳鍋」(29.0%)、「モツ鍋」(27.8%)と、今や家庭での鍋料理としても定番化した種類が続きました。第5位には、2009年(平成21年)にぐるなびが「トレンド鍋®」として取り上げた「トマト鍋」(25.1%)もランクインしています。
後編では、ぐるなび独自のアンケートを用いて、今冬の鍋メニューのトレンド予想を行います。
さらに、3分の2の人(75.0%)が「“平成リバイバル鍋”を食べたい/機会があれば食べてみたい」と回答しています。ここから、鍋料理に対して新しさのみを求めていない一般ユーザーの意向も見て取れます。
令和らしさも追加。「平成リバイバル鍋」の参考メニューは?
ここまで、「平成リバイバル鍋」の定義とその選定ポイントについて解説してきましたが、実際に平成のレトロ感を持ちつつも、令和の“今らしさ”を追加した鍋料理がどんなメニューのことなのか、具体的なメニュー例を挙げて紹介します。
90年代を代表する、もつ鍋の進化系「彩り串もつ鍋」
タンパク質・コラーゲンを多く含む、もつ。その見た目、そして使用食材を工夫することで、今らしさを演出することができます。
もつをベースとしつつ、ビタミンなどの栄養バランスを考慮して多くの野菜を使用することで、ヘルシーさだけでなく、写真映えする彩りの豊かさを演出できます。また、具材を串刺しにすれば、懸念される感染症対策、そして取り分けのし易さを担保することもできます。
定番キムチ鍋を映えチェンジ! 「クリームチゲ鍋」
代謝と発汗を促すカプサイシンを含み、腸内環境を整えることが期待できるキムチを使用した、キムチ鍋。豆乳を合わせることで辛さをマイルドにするだけでなく、うま味アップ!も期待できます。さらに、豆乳ホイップとして鍋のトッピングに使用すれば、口当たりも柔らかく、見た目の華やかさも叶えてくれるはずです。
ヘルシーさ、見た目の楽しさ、そして寒さにも負けない冬鍋の定番・キムチ鍋は、昨今の韓国料理ブームも後押しして、新たなアレンジ次第で今年も人気が高まりそうです。
目新しさは「懐かしさ」の中にも見つかる!
ぐるなびが今年のトレンド鍋®に選出した「平成リバイバル鍋」。平成で一大ブームを築いた鍋料理をベースに懐かしさを担保しつつ、そこに時勢を反映した“今らしさ”を追加することで、新たな価値を作り出すことがポイントだということが分かりました。SNSが一般化したことによるカメラ映えする見た目、健康志向の高まりに応えたヘルシーさ、そして感染症対策としての衛生面の見直し……。今後は、さらなる物価高騰や、インバウンド需要の影響なども考えられます。新メニュー導入だけにこだわらず、また使用食材を変えずとも、時勢を鑑みたアイデアをメニューに反映することは、新たな発見の提供とブームにつながるきっかけになるかもしれません。
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【飲食店の2025年経営戦略】レポート
2025.02.10
昨年(2024年)の業績は、コロナ後の回復基調から利益や客数などで変化のきざしがみられ、今後1年間(2025年)の業績予想も、やや控えめになっているようです。大幅な業績アップが望めない状況の中、経営戦略を改めて考えてみる必要があるのではないでしょうか。 経営状況や今後1年間(2025年)の経営戦略を、ぐるなび加盟飲食店の皆さまにお伺いしました。あわせて経営戦略のひとつとして注目されるM&Aについても聞いています。経営上の様々な課題への今後の戦略を考えるヒントを探ります。
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食関連データ・25年1月「ヘルシーメニュー」
2025.01.28
ぐるなびに加盟している全国の飲食店を対象に、健康メニューについて、取扱い状況、訴求点、実際に提供しているメニュー、参考情報、注文客層、客からの評価、今後の取扱い意向と実際に取扱いたいメニュー、取扱いのメリット、健康ドリンクの取扱い状況、実際に提供している健康ドリンクと今後提供したいものなど、意識と実態を調査しました。
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食関連データ・24年12月「生鮮野菜」
2024.12.24
ぐるなびに加盟している全国の飲食店を対象に、生鮮野菜の取扱いについて、仕入状態、通年取り扱っている野菜、仕入先、仕入頻度、取扱い量の変化、重視点、珍しい野菜の導入意向、仕入れ先数、仕入先の使い分け、仕入れ先の特徴、仕入れ先生産者の認知経路、生産者からの直接仕入れの意向、直接仕入れにおける課題、人気メニュー、生鮮野菜取扱い上の課題など、意識と実態を調査しました。
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