<魚介類メニューのトレンド>人気の傾向と注目メニューを紹介!日本食回帰がポイントに

こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。
本編集部では、ぐるなびが行った飲食店アンケートや、データサービス「ぐるなびデータライブラリ」のデータを元に、トレンド予想やメニューの分析を行っております。

今回は「魚介類メニュー」を特集します。海に囲まれた日本だからこそ発展した魚介類メニューは、さまざまな調理方法で提供され、日本食には欠かせない素材となっています。海外の魚介類メニューの情報が手に入れやすくなった昨今、人気の魚介類メニューにもその影響が大きく見られています。全国の飲食店へのアンケートから、人気の魚介類メニューのほか、注目のメニューについてご紹介します。

定番メニューに見られる「エビ」人気

まずは、ぐるなび掲載店舗に登録されている魚介類メニューのデータから、取り扱いが多い順にランキング形式で紹介します。ここから、いわゆる"定番メニュー”が分かります。

 

※直近12か月分の月次取扱データを平均し多い順にランキング化
※刺身、炭火焼、タタキなど調理名がメニュー名になっているものは除外


取扱ランキングの上位20メニューを見る限り、生、焼き、揚げ、干物など多様な調理方法でアレンジされた魚介類メニューが、偏りなく好まれていることが分かります。
また、2位「エビマヨ」、3位「海老フライ」、4位「海老の天ぷら」、5位「エビチリ」と、4つがエビを使ったメニューで、エビ人気が顕著に現れました。

トレンドは繰り返す? “今”人気の魚介類メニュー

次に、昨年に比べて取扱指数*が上がった魚介類メニューを、増加率順にランキングで紹介します。この1年で人気が出た魚介類メニューのトレンドが明らかになります。

*取扱指数とは…指定キーワードについて、特定時点の全店舗数における取扱店店舗数の割合を表す数値。特定時点で1,000店舗あたり何店舗存在するかという指標。

 

※ぐるなびメニュー掲載店舗で取り扱われているメニューデータの中から、魚介類に該当するメニューの 直近12か月分の取扱指数の前月からの増加率を平均し、上位メニューをランキングで記載。
※1 ホタテの貝殻をお皿として盛り付けた西洋のグラタン料理
※2 イイダコを使用した韓国の鍋料理
※3 海老をニンニクや生姜を加えた醤油ベースのタレに漬けた韓国料理

 

ここでもエビを使ったメニューが4つランクインしました。また、イカ(3位 いかおくら)やホタテ(8位 コキール)、タコ(10位 チュクミ)など、魚以外の魚介類も使ったメニューの人気も見られます。
韓国料理がトレンドなのは明らかですが、注目したいのは、紹介した20メニューのうちのほとんどが、昔から変わらない、和食ならではの調理方法と味付けのものばかり。魚介類メニューのトレンドは、時代関係なく和食のものが定期的にトレンドになるのかもしれませんね。

旨み濃縮!「貝出汁」アレンジに注目

ぐるなびが注目するのは「貝出汁(かいだし)」を使用したメニューです。貝出汁とは、アサリやホタテなどの貝から抽出した出汁のこと。貝の旨みが凝縮され風味が豊かで、和食にも洋食にも合うことが特徴です。2020年11月頃から貝出汁ラーメンの取扱が徐々に増えはじめ、現在では人気メニューとして定着しています。

「貝出汁」の飲食店取扱指数

特に2022年4月から、ラーメン以外の飲食店でも取扱が急増しています。2022年8月には大手食品加工メーカーから貝出汁茶漬けの素が発売されたり、メディアやSNSで貝出汁パスタや炊込みご飯などのアレンジレシピが多数で紹介されたりと、ラーメン以外のメニューへの使用も増え、今後の広がりが注目されています。

魚介類メニューは「やっぱり和食」!

世界にはいろいろな魚介類メニューがありますが、日本国内では、定番もトレンドも結局は「和食らしい」味付け・調理方法が人気であることが、今回の調査から改めて明らかになりました。注目メニューでご紹介した貝出汁も、味噌汁や鍋など、魚介類から出汁をとる昔ながらの日本の食文化による影響が多大に見られ、その味の人気・トレンドは納得の結果です。魚介類メニューに関しては、新しい調理方法や味わいよりも「日本食」に回帰することがポイントになるのかもしれません。