【ビッグデータで見る食トレンド】コロナ禍でも強かった“肉料理”。今、人気のメニューは?
こんにちは、ぐるなびデータライブラリ編集部です。レストランがたまの贅沢だった外食創成期から、人々が日常的に飲食店を利用するようになった現代まで、メニューの中心的な存在であり続けている肉料理。ステーキ、焼肉、牛丼、トンカツ、焼き鳥などなど、“これぞ外食”といった肉料理は枚挙にいとまがなく、専門店も数多く存在します。
ここ1~2年は食肉の仕入れ価格が急騰し、飲食店経営にマイナスの影響を及ぼしていますが、一方でコロナ禍においては、焼肉などご馳走感のある牛肉料理や、テイクアウト需要をとらえた鶏唐揚げ、ハンバーガーなど、肉メニュー・業態の強さが際立ちました。
今回は、そんな肉料理のトレンドをデータから分析していきます。
<目次>
飲食店で人気の肉料理ランキング、鶏肉メニューに勢い
「唐揚げ」と「ステーキ」が2強
下の表は、ぐるなびに掲載されている全メニューデータの中から、飲食店で多く取り扱われている肉料理を抽出し、ランキング形式にまとめたものです。集計は2022年2月時点 で、ぐるなびデータライブラリで採用している「取扱指数(※1)」を用いています。
※1:取扱指数 ぐるなびに加盟する全店舗のうち、指定キーワードがメニューに掲載されている店舗(取扱店舗)がどのくらい存在するかを表す。特定時点に1,000店舗あたり何店舗存在するかで算出
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これを見ると、1位は「から揚げ 」、2位は「ステーキ」、3位は「鶏のから揚げ」となりました。肉料理で唐揚げと言えば一般的に鶏の唐揚げを指すと考えられ、トップ3に鶏の唐揚げが2つランクインしています。さらに、外食の象徴とも言える「ステーキ」を抑えて1位となっていることにも注目です。
鶏肉の取り扱いが増加。ミートショックも影響か
続いて、このデータを昨年と比較した「取扱増加率」のランキングから、さらに深くトレンドを読み解いてみましょう。
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昨年同時期と比べて飲食店で取り扱いが伸びたメニューの1位は「鶏つくね」、2位は「牛ハラミステーキ」、3位は「塩唐揚げ」となりました。定番ランキングと同じく、牛肉メニューを抑えて「鶏つくね」が1位。食肉、特に牛肉の仕入れ価格が高騰する中、比較的安価な鶏ひき肉を使ったメニューであることも、「鶏つくね」の取り扱いが急増した一要因と推測できます。
一方、3位「塩唐揚げ」のほか、6位「鶏モモ肉の唐揚げ」、8位「塩麹唐揚げ」と、トップ10にテイクアウトで引き合いの強い唐揚げメニューが複数ランクイン。また、4位には「焼肉弁当」、5位には「ハンバーグ弁当」と、弁当メニューも上位に入りました。
コロナ禍以降、多くの飲食店が既存メニューのテイクアウト対応やテイクアウト向け新メニュー開発に注力しており、その影響が色濃く現れています。
10~15位には、「UFOチキン」、「韓国チキン」、「台湾唐揚げ」など、アジア系メニューが多く見られました。
「UFOチキン」とは、下味を付けて焼いたり揚げたりした鶏肉の手羽元に、溶かしたチーズをディップして食べる韓国発のメニュー。東京・新大久保の韓国料理店などで提供され、近年話題となっています。
同じく韓国発の鶏肉料理である「韓国チキン」は、韓国風フライドチキンのこと。ニンニクやチリパウダーで下味を付けたものや、 揚げた後にコチュジャンを使ったソースを付けたものなどバリエーションが豊富で、韓国ドラマなどでも食事シーンに登場することなどから、女性を中心に認知度が高まっています。
このほか、11位「ガリバタチキン」、14位「スタミナ焼肉」などのように、ニンニクを使ったこってり味のメニューや、スタミナ系のメニューも取り扱いが伸びています。「ガリバタチキン」は昨年、唐揚げチェーン店でも期間限定で提供されて話題に。ヘルシー志向が消費の主流となる反面で、高カロリーであったり、味付けの濃いメニューなどは“背徳グルメ”と呼ばれて一定の人気があり、その流れが反映されていると考えられます。
大注目のハンバーグ。急伸するひき肉の可能性
様々な肉料理が並びましたが、ここからは取扱増加率ランキング1位の「鶏つくね」、5位の「ハンバーグ弁当」など、ひき肉を使ったメニューが伸びていることに改めて注目してみましょう。下の図は、「ハンバーグ」と「ごはん」をキーワードに含むユーザーの検索指数(※2)と、「ハンバーグ」と「ごはん」をメニュー名に含む料理の飲食店での取扱指数を集計したものです。
※2:検索指数 ユーザーが、指定キーワードをどのくらい検索しているかを表す。特定期間に検索100,000回あたり何回検索されたかで算出
これを見ると、2020年7月から「ハンバーグ ごはん」で飲食店を検索するユーザーが急増。飲食店での取り扱いも2021年3月以降、大きく伸びていることが分かります。2020年には、かねてよりハンバーグを軸とした店舗展開をしていた飲食企業が、吉祥寺に羽釜で炊くごはんと炭火焼きハンバーグの専門店をオープンし、連日長蛇の列ができるなど大きな話題となりました。また、居酒屋の二毛作営業としてランチ帯にハンバーグ専門店を始め人気を集めたケースや、ゴーストレストラン向けにハンバーグの卸売りを始めた飲食企業もあるなど、その注目度は近年急速に高まっています。
ハンバーグとごはんのセットは以前から多くの飲食店で扱われてきたメニューですが、素材や調理法のみならず、焼き立ての提供や炊き立てごはんとの組み合わせ、オリジナリティのあるトッピングや味付けなど新たな価値がプラスされ、ほかにも都市部を中心に新店が続々登場しています。
また、カウンター席が多いなど一人客に使いやすい店が増えているのも昨今の特徴。“一人焼肉”や“一人ステーキ”のヒットに続き、“一人ハンバーグ”が定着してくるのも間近かもしれません。
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【飲食店の2025年経営戦略】レポート
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昨年(2024年)の業績は、コロナ後の回復基調から利益や客数などで変化のきざしがみられ、今後1年間(2025年)の業績予想も、やや控えめになっているようです。大幅な業績アップが望めない状況の中、経営戦略を改めて考えてみる必要があるのではないでしょうか。 経営状況や今後1年間(2025年)の経営戦略を、ぐるなび加盟飲食店の皆さまにお伺いしました。あわせて経営戦略のひとつとして注目されるM&Aについても聞いています。経営上の様々な課題への今後の戦略を考えるヒントを探ります。
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食関連データ・24年12月「生鮮野菜」
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ぐるなびに加盟している全国の飲食店を対象に、生鮮野菜の取扱いについて、仕入状態、通年取り扱っている野菜、仕入先、仕入頻度、取扱い量の変化、重視点、珍しい野菜の導入意向、仕入れ先数、仕入先の使い分け、仕入れ先の特徴、仕入れ先生産者の認知経路、生産者からの直接仕入れの意向、直接仕入れにおける課題、人気メニュー、生鮮野菜取扱い上の課題など、意識と実態を調査しました。
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